有線放送電話再考

ココログをみていたら、懐かしい話をみつけた。松浦さんの「独占について再考する」
数理の東條さんも某社とのお約束とかで口を閉ざしていたこともあって、東京めたや伊那実験の話は最近聞くことはなかったが、こういう背景もあったのかと改めて驚いた。
確かにあの実験をやっている頃、NTTの軋轢というのは感じていたし、事務局を担当していた平宮さん(現JANISらしい)もその気でいたと思う。
実際実験直後に視察にきた某国際銀行調査員の方々は、ADSLそのものというよりNTTと日本経済に及ぼす影響をしきりと気にされていた。
でも、当時は実験に参加していたボランティアメンバーは、とにかく新技術をこの目でみたい、動かしたい、自社の製品が使えるのか試したいという興味のみで先行していたと思う。
その点で有線放送電話というフィールドが良かったのは、もちろんDSLに適当な技術要件であったこともあるが、伊那市有線放送農業協同組合という郵政省認可の有線放送電話業務を行うJAグループであったこと、伊那の有線が中川さんという希有な人材によって頑固なまでに線路管理がなされており加入件数も1万近くあったこと、それと伊那という外部から影響を受けにくい地方の地域コミュニティが確立された地域性にあったからだと思う。
実際有線放送電話事業者は現在も全国に数多く残っているし、伊那の実験後に東條さんが泣きつかれてやむなく(?)実施した上田の実験は、筒井さん(現ソフトバンクBB)らが行った疑似ISDNとの影響を調べる技術的な興味以外は上田という地域に対しても、日本のADSL状況についてもあまり影響を与えなかったと思う。
伊那市有線放送農業協同組合は平成5年の施設改修の際、農林水産省に補助を求めている。これは有線放送電話事業者の団体である日本有線放送電話協会の監督官庁が郵政省と農林水産省にまたがっているのだが、現在日本農村情報システム協会の下に位置づけられているように農林水産省が実際に管轄したからだが、すでに当時農村情報システム協会は松下システムのCATVで、高価な気象情報機材と同協会との農業気象情報配信を受けることが、ほとんど要件のようになっていたため、市も乗り気ではなかったし、有線の中川さんも拒否していた。またその時伊那には民間によるケーブルテレビが開局していたこともある。
実際このスキームで有線放送電話を改修した駒ヶ根市のCATV「エコーシティ駒ヶ岳」にも視察に行ったが、HFC(光ハイブリッド方式)の双方向対応とはいえ、CATVインターネットで現在も多くのユーザーが悩んでいる上りチャンネルの不足がありながら、さらにケーブルテレビ回線に有線放送電話機能を追加したために、電話音質は現在のデジタルPDCの携帯電話以下であった。
農林水産省の補助が行われている限りは郵政省は補助を出さない。また当時の郵政省はマルチメディアとテレトピア一色で、有線放送電話やインターネットというスキームは持っていなかった。
結局のところ、伊那の有線放送電話の改修は長野県と伊那市の独自助成(農業近代化資金借り入れへの利子補給と市単独補助)で、多くの負債は有線放送電話利用者が持たなければならなかった。これができたのも中川さんの熱心な説得があったからに他ならないだろう。
このような当時の状況から伊那の有線放送電話は、経済的にも地域的にも外部からの影響を受けないピュアな形で生き残り、さらに多くの負債と改修しても有線放送と電話という変わらない機能をいかにアピールするかが課題になっていた。そこでインターネットへの有線放送電話網の接続と、そこから続くADSL実験へとつながる。
おそらく、これは伊那側の当事者からみた側面なのだろう。
実際東條さんや小林さんは東京でNTTや郵政省と敵対したり仲良くしたり、一進一退で方向を探していただろうし、筑波のNTTアクセス網研や当時実験をやりたがっていて塩尻で実験を行った某社などの側面もあるだろう。
NTTが一枚岩でないことは確かだが、伊那でのADSL実験の前に当時のNTT社長が「ADSLはやらない」と発表したことは、やはりNTTの姿勢として東京側の実験参加者のきかっけにはなっただろう。
そんないろいろな側面を持ち合わせて行われた実験だったが、伊那的には現在NTTによるBフレッツもYahooBBも、有線電話のJANISのVDSLも、InfovalleyのADSLも、伊那ケーブルテレビのインターネットサービスもつつがなく行われている。
伊那市有線放送農業協同組合は負債をすべて完済し、今年は加入者にコードレス電話機を無料で配布した。生活レベルとしては人口5万人の都市としては幸せではないだろうか。

続き▽
2004,12,09 Thu 00:10
窓のある風景
2004,12,08 Wed 18:53
松下のテレビモニターシステム
ワイヤレスモニターシステム KX-MS10がいよいよ12月10日から発売される
ネットワークカメラシステムを松下は吸収前の九州松下(ジョークみたいですな)の頃から発売していて、私も自宅や病院でさまざまな用途で使用している。
このカメラのいいところは、カメラ自体にWWWサーバを持っていてブロードバンド回線に接続すればすぐにライブカメラや監視カメラとして使用できるところだ。
今でこそ同様な機能をもったカメラは各社からでているが、九州松下の1号機LX-HCM1はもう4年ほど前に発売され、現在のカメラ基本機能と今でも遜色はない。
その後のサポートやバージョンアップも続けられていて、カメラからレンズのパンチルト機能を省いた廉価バージョンや、無線LAN、防滴対応、ナイトモード、モーション感知、温度感知などのハードウェアの更新の他、ファームウェアの更新による機能増強と安定化、CGIの公開によるWebへの埋め込み方講座や、掲示板によるサポートまでさすが松下と思わせる。
しかし九州松下から松下本体への移行があっても続いているところをみるとよほど思い入れのある担当者がいるのか。
いずれにしてもこのカメラシリーズについては高い信頼を置いているのだが、今回のモニターシステムはカメラは既存品を使用して、今までパソコン(ブラウザ)でのモニターであった画面をビデオ出力のテレビ画面と、リモコンによるカメラ操作を実現したものだ。
すでにインターネット上では注文を受け付けているショップもあって、概ね6万円後半のようだ。
気になるのは従来のHCMシリーズとは別の部署で取り扱っているらしいというところだが、松下もホームセキュリティなどの視点で、本格的にブロードバンドを企業として取り組み始めたと好意的にみたい。
価格と性能のパフォーマンスは既に実証済みなので、あとは魅力あるサービスとともに如何に展開するかであるが、上記のサポートページをみると各社がADSL回線などを組み合わせて、銅製品によるサービスを始めているようである。
個人情報保護法施行も近づいて、いろいろなところに設置されるカメラについて賛否が分かれる議論もあるが、日本のいびつなブロードバンドの普及のキラーコンテンツとして、その人の趣味によっていろいろな使い方が可能なこの手の商品は今後も個人、法人に受け入れられていくと予想する。
ネットワークカメラシステムを松下は吸収前の九州松下(ジョークみたいですな)の頃から発売していて、私も自宅や病院でさまざまな用途で使用している。
このカメラのいいところは、カメラ自体にWWWサーバを持っていてブロードバンド回線に接続すればすぐにライブカメラや監視カメラとして使用できるところだ。
今でこそ同様な機能をもったカメラは各社からでているが、九州松下の1号機LX-HCM1はもう4年ほど前に発売され、現在のカメラ基本機能と今でも遜色はない。
その後のサポートやバージョンアップも続けられていて、カメラからレンズのパンチルト機能を省いた廉価バージョンや、無線LAN、防滴対応、ナイトモード、モーション感知、温度感知などのハードウェアの更新の他、ファームウェアの更新による機能増強と安定化、CGIの公開によるWebへの埋め込み方講座や、掲示板によるサポートまでさすが松下と思わせる。
しかし九州松下から松下本体への移行があっても続いているところをみるとよほど思い入れのある担当者がいるのか。
いずれにしてもこのカメラシリーズについては高い信頼を置いているのだが、今回のモニターシステムはカメラは既存品を使用して、今までパソコン(ブラウザ)でのモニターであった画面をビデオ出力のテレビ画面と、リモコンによるカメラ操作を実現したものだ。
すでにインターネット上では注文を受け付けているショップもあって、概ね6万円後半のようだ。
気になるのは従来のHCMシリーズとは別の部署で取り扱っているらしいというところだが、松下もホームセキュリティなどの視点で、本格的にブロードバンドを企業として取り組み始めたと好意的にみたい。
価格と性能のパフォーマンスは既に実証済みなので、あとは魅力あるサービスとともに如何に展開するかであるが、上記のサポートページをみると各社がADSL回線などを組み合わせて、銅製品によるサービスを始めているようである。
個人情報保護法施行も近づいて、いろいろなところに設置されるカメラについて賛否が分かれる議論もあるが、日本のいびつなブロードバンドの普及のキラーコンテンツとして、その人の趣味によっていろいろな使い方が可能なこの手の商品は今後も個人、法人に受け入れられていくと予想する。
2004,12,08 Wed 12:14
いなじんぶろぐん
2004,12,07 Tue 18:04
mozilla FireFox 1.0との出会い
最近使っているブラウザ。
Operaなども試してみたけれど、最近の中で一番自分にしっくりくるブラウザだと思う。
・余計な機能がない
・わりと高速
・でも拡張性もある
この3点でブロードバンドがあれば充分だと重うとは、日本のブロードバンドもまだまだですな。
欠点としては
・たまーに文字の入力でつまづく
・職場のグループウェアのプラグインが使えない
くらいか。
この使用感でさらなるバージョンアップに期待。
Operaなども試してみたけれど、最近の中で一番自分にしっくりくるブラウザだと思う。
・余計な機能がない
・わりと高速
・でも拡張性もある
この3点でブロードバンドがあれば充分だと重うとは、日本のブロードバンドもまだまだですな。
欠点としては
・たまーに文字の入力でつまづく
・職場のグループウェアのプラグインが使えない
くらいか。
この使用感でさらなるバージョンアップに期待。
2004,12,07 Tue 12:38
