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  • (12/06)

権兵衛トンネルの期待と不安
昨年の10月になるが、権兵衛トンネルを見学させていただいた。

権兵衛トンネルは伊那と木曽福島を結ぶ、中央アルプス中央部唯一のトンネルとして平成17年秋頃に開通予定の高規格道路である。
トンネル開通前は国道361号線は林道を迂回していて普通車のすれ違いも困難な場所もあり、同区間は通過に1時間30分くらいかかっていたのがトンネルによって30分足らずに短縮される。また木曽を走る国道19号は冬場は迂回路がなく、一度事故がおこると長期間の通行止めになることもしばしばだった。
このために木曽と伊那の情報通信系NPOが「国道道路情報掲示板」を設置して、各国道のドライバーに利用してもらっているが、国道153号に比べて国道19号の交通状況はこれから冬場を迎えて毎日のように事故、スリップなどが起きていることがこの掲示板からもわかる。

権兵衛トンネル開通によって高速道路や国道153号を利用する大型トラックも増えるだろう。また産業、観光面の交流も活発になるだろうし、車で30分となれば医療サービスエリアも伊那と木曽は連携しやすくなる。

トンネルは高規格であると同時に無料となる予定である。となると事故やそれに伴う重大災害も予想される。今までとは違う救急救助、災害対応も検討しなければならないだろう。

こうした検討は最近始まったばかりである。
ところが、これらの交流、対応に必要な大容量・高速な情報通信網を整備しようという動きはあまり見られない。
新しいスキームには、それに対応する人的体制と、その体制を有機的なものとするための情報通信基盤は不可欠である。

道路などの目で見える基盤は整備を急ぎその次に組織や団体をつくる傾向が多いが、今までの延長ではなく新しい流れをつくる場合に、今までと同じような手段を適用するには時間も人的資源も少ないだろう。

すでにある組織、人的資源、文化的資源を有効に利用するための情報通信基盤は不可欠だと思うのだが、それは後から時間と金をかければ出来ると勘違いしている人がいるのだろう。
| 安江輝 | comments (9) | trackback (11) | 地域情報化 |
ナンバーディスプレイの偽装の危険

振り込め詐欺:「警察署から電話」着信偽装の新手口--静岡県内(毎日新聞)

とんでもないことになったものである。
NTTも今まで迷惑電話防止にタダみたいなシステムである「ナンバーディスプレイ」を月額で課金して儲けてきただけに、対策にあわてふためいているかもしれない。

ナンバーディスプレイの電話番号表示の元になる電話データは本来電話交換機がもつもので家庭にある電話機そのものが持つデータではない。
しかしISDNのようなデジタルシステムでは、電話交換機側からみれば1加入者が最大16回線を1経路からかけてくるわけで、その番号データを一般的にビジネス交換機と呼ばれる宅内装置から情報を得ている可能性もなくはない。

おそらくこのシステムを構築するには数十万、ヘタすれば数百万の設備投資が必要であるし、今回の手口のようにサイトや会社からの情報流出というテクニックも要求される。

とは言え、一昔前のツーショットダイヤルを思えば設備費用なんてたいしたことないし、かければ1回あたり数十万円と振り込まれる商売敵のいない「ぼろい商売」とも言える。

いずれにしても、携帯電話のように「プッシュ電話」や「ナンバー表示」という、今の交換機では標準でついている機能を、さも最新機能のようにしちめんどくさく申し込みまでして商品としていたNTTは対策を求められることになるだろう。

こと今の社会は「安心安全」が求められている。そもそもNTTの前身が公社国営だったのはそのためだったはず。民営化したから安心安全は損なわれたなどということになればNTTの保身の理由としては利用可能だが、NHKのような消費者離れの理由としても充分だろう。
| 安江輝 | comments (18) | trackback (676) | 地域情報化 |
気になる情報セキュリティポリシーの中身は?

政府が「e-JAPAN」を掲げて電子政府・電子自治体の推進をはじめてから5年ほどとなる。
e-JAPANはすでに次のステージとなり、お題目は進んでいるが市民生活に電子政府や電子自治体が便利だなと思わせる形となって現れた例は少ない。

そもそも5年というのは、実勢に即していないと言われている会計上における情報機器の償却期間であることからも判るように、毎日のように革新していく一般の流れから比べると一連の政策はあまりに遅すぎる。

このほど総務省から情報セキュリティポリシーと個人情報保護条例の策定進捗状況の全国調査結果が発表されたが、ポリシーや個人情報保護などは情報化、電子化を進める以前の基本中の基本、ただの方向性のようなものであるはずで、前回に比べてコンマいくつ進捗したなんていうレベルで語られるのものではないはずだ。

逆説的かもしれないが、電子政府や電子自治体が急速に進捗しないで良かったのかもしれない。これが民営で、ソフトバンクBB並のアグレッシブな勢いで営業活動が可能だとしたら、全国の駅前で「電子自治体いかがっすか」となったらそれは恐ろしいし、個人情報の漏洩の影響は計り知れない。

技術的興味やら精神論やらで「あれはなんだったのか」と言われるような実験やら論議やらを繰り返した我が県としては、せめて岐阜県並にはこの総務省の調査で結果を残せても良いはずなのだが、こういうのを龍頭蛇尾というのだろうか。

上辺のコスチュームやスカートの中身だけを気にするのではなく、少なくとも自分自身が「やって良かった」と思う実のある地域情報化を考えていきたい。、
| 安江輝 | comments (1) | trackback (8) | 地域情報化 |
有線放送電話再考

ココログをみていたら、懐かしい話をみつけた。松浦さんの「独占について再考する」

数理の東條さんも某社とのお約束とかで口を閉ざしていたこともあって、東京めたや伊那実験の話は最近聞くことはなかったが、こういう背景もあったのかと改めて驚いた。

確かにあの実験をやっている頃、NTTの軋轢というのは感じていたし、事務局を担当していた平宮さん(現JANISらしい)もその気でいたと思う。
実際実験直後に視察にきた某国際銀行調査員の方々は、ADSLそのものというよりNTTと日本経済に及ぼす影響をしきりと気にされていた。
でも、当時は実験に参加していたボランティアメンバーは、とにかく新技術をこの目でみたい、動かしたい、自社の製品が使えるのか試したいという興味のみで先行していたと思う。

その点で有線放送電話というフィールドが良かったのは、もちろんDSLに適当な技術要件であったこともあるが、伊那市有線放送農業協同組合という郵政省認可の有線放送電話業務を行うJAグループであったこと、伊那の有線が中川さんという希有な人材によって頑固なまでに線路管理がなされており加入件数も1万近くあったこと、それと伊那という外部から影響を受けにくい地方の地域コミュニティが確立された地域性にあったからだと思う。

実際有線放送電話事業者は現在も全国に数多く残っているし、伊那の実験後に東條さんが泣きつかれてやむなく(?)実施した上田の実験は、筒井さん(現ソフトバンクBB)らが行った疑似ISDNとの影響を調べる技術的な興味以外は上田という地域に対しても、日本のADSL状況についてもあまり影響を与えなかったと思う。

伊那市有線放送農業協同組合は平成5年の施設改修の際、農林水産省に補助を求めている。これは有線放送電話事業者の団体である日本有線放送電話協会の監督官庁が郵政省と農林水産省にまたがっているのだが、現在日本農村情報システム協会の下に位置づけられているように農林水産省が実際に管轄したからだが、すでに当時農村情報システム協会は松下システムのCATVで、高価な気象情報機材と同協会との農業気象情報配信を受けることが、ほとんど要件のようになっていたため、市も乗り気ではなかったし、有線の中川さんも拒否していた。またその時伊那には民間によるケーブルテレビが開局していたこともある。
実際このスキームで有線放送電話を改修した駒ヶ根市のCATV「エコーシティ駒ヶ岳」にも視察に行ったが、HFC(光ハイブリッド方式)の双方向対応とはいえ、CATVインターネットで現在も多くのユーザーが悩んでいる上りチャンネルの不足がありながら、さらにケーブルテレビ回線に有線放送電話機能を追加したために、電話音質は現在のデジタルPDCの携帯電話以下であった。

農林水産省の補助が行われている限りは郵政省は補助を出さない。また当時の郵政省はマルチメディアとテレトピア一色で、有線放送電話やインターネットというスキームは持っていなかった。
結局のところ、伊那の有線放送電話の改修は長野県と伊那市の独自助成(農業近代化資金借り入れへの利子補給と市単独補助)で、多くの負債は有線放送電話利用者が持たなければならなかった。これができたのも中川さんの熱心な説得があったからに他ならないだろう。
このような当時の状況から伊那の有線放送電話は、経済的にも地域的にも外部からの影響を受けないピュアな形で生き残り、さらに多くの負債と改修しても有線放送と電話という変わらない機能をいかにアピールするかが課題になっていた。そこでインターネットへの有線放送電話網の接続と、そこから続くADSL実験へとつながる。

おそらく、これは伊那側の当事者からみた側面なのだろう。
実際東條さんや小林さんは東京でNTTや郵政省と敵対したり仲良くしたり、一進一退で方向を探していただろうし、筑波のNTTアクセス網研や当時実験をやりたがっていて塩尻で実験を行った某社などの側面もあるだろう。
NTTが一枚岩でないことは確かだが、伊那でのADSL実験の前に当時のNTT社長が「ADSLはやらない」と発表したことは、やはりNTTの姿勢として東京側の実験参加者のきかっけにはなっただろう。

そんないろいろな側面を持ち合わせて行われた実験だったが、伊那的には現在NTTによるBフレッツもYahooBBも、有線電話のJANISのVDSLも、InfovalleyのADSLも、伊那ケーブルテレビのインターネットサービスもつつがなく行われている。
伊那市有線放送農業協同組合は負債をすべて完済し、今年は加入者にコードレス電話機を無料で配布した。生活レベルとしては人口5万人の都市としては幸せではないだろうか。
続き▽
| 安江輝 | comments (28) | trackback (12) | 地域情報化 |
長野県箕輪町のインターネット投票
(信濃毎日新聞の記事)
(長野日報の記事)

箕輪町には町が独自で構築した光ファイバがある。
通常はケーブルテレビなどの協力を得るのだが、隣の辰野町(宮川さん?)などのアドバイスも得て町がNTTからダークファイバを借りる独自運用となっている。
この問題点としては、「なにかあったとき」、いわゆる事故で電柱を倒したとか、光の終端が壊れたとかいったときに、いつ誰が修理をするのか、確認するのか。
地域情報網を特に公的機関が構築する場合には、いつもこのようなネガティブな意見がでて、その対策のみで議論が終始してしまう傾向があるようだが、箕輪町のように積極的に利用して、その上で管理方法などを独自で検討していくことは公的機関による責任ある地域情報化施策には必要ではないかと思う。
責任は持たない、金は出す、運用も任せる、でも確認はしない、使えればいい。そんな厳密な管理による確実なネットワークほど無駄なものはない。
続き▽
| 安江輝 | comments (268) | trackback (47) | 地域情報化 |

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